摩耗体積・比摩耗量 計算ツール
BCRF / SDF / ASCII の表面形状データ、法線荷重、すべり距離から、摩耗体積 W と比摩耗量 k [mm³/(N·m)] を 1 つのフローで算出します。
回転(Rotating)
往復(Reciprocating)
まず Step 1 で試験方法と試験片を選択してください。
まず Step 2 を完了してください。
Step 3 でレベリングを適用してください。
まず Step 2〜4 を完了してください。
Step 5 で摩耗体積を計算すると、ここに結果が表示されます。
比摩耗量とは
比摩耗量(k)は、単位荷重・単位摺動距離あたりに除去される材料体積を表します。SI単位は m³/(N·m) で、実用上は mm³/(N·m) で表現されることが多いです。関係式は W = k · F · s(W: 摩耗体積 [m³]、F: 法線荷重 [N]、s: 摺動距離 [m])。k の値が小さいほど耐摩耗性が高いことを示します。比摩耗量は、コーティング・母材・潤滑剤の組み合わせをトライボロジー的に比較する標準指標として広く使われています。
摩耗量の計算方法
本計算機はトライボメータソフトウェアが出力する BCRF(Binary Contact Response Function)ファイルを読み込みます。摩耗痕の断面プロファイルをトラック長さ方向に積分して摩耗体積を算出します。回転型(球-ディスク・円柱-ディスク)ではトラック周長を、往復型ではストローク長を使用します。積分前にチルト補正(レベリング)を施し、幾何学的な傾きを除去してから真の材料損失量のみを積算します。
使用した式と準拠規格
比摩耗量。荷重とすべり距離で正規化するため、条件の異なる試験どうしを比較できます。
往復運動では 1 サイクルで往復 2 行程ぶん滑るため、係数 2 が入ります。
ディスク・フラット側の溝状摩耗。断面積 A を高さマップから台形積分し、トラック長を掛けます。
ボール側の球欠 (spherical cap) 摩耗。ボール半径 R と摩耗痕半径 a から求めます。
参考: Archard の摩耗式。k = K/H の関係にあり、本ツールの k は無次元摩耗係数 K を硬さで割った量に相当します。
記号と単位
| 摩耗体積 | mm³ | |
| 垂直荷重 | N | |
| 総すべり距離 | m | |
| 比摩耗量 | mm³/(N·m) | |
| 摩耗痕の断面積 | mm² | |
| 摩耗トラック半径 | mm | |
| ボール半径 | mm | |
| 摩耗痕半径 | mm | |
| 無次元摩耗係数 (Archard) | — | |
| 軟質材の硬さ | MPa |
適用範囲と制限
- ·断面積の基準線 (baseline) の取り方で摩耗体積は変わります。摩耗痕の外側に十分な未摩耗面が含まれるように範囲を選んでください。
- ·盛り上がり (pile-up) を差し引くかどうかで結果が数十 % 変わることがあります。本ツールはゼロ交差で摩耗部と盛り上がり部を分離しています。
- ·シリンダーおよびピンの上側試験片は、断面積積分から体積を復元できないため対象外です。相手側のディスク/フラットを測定してください。
- ·比摩耗量は運転条件に依存する量であり、材料定数ではありません。荷重・速度・雰囲気を併記しない k の比較は意味を持ちません。
Excel で再現する
比摩耗量 k
=A1/(B1*C1)A1 = 摩耗体積 V [mm³]、B1 = 荷重 F [N]、C1 = すべり距離 S [m]。
すべり距離 S(回転試験)
=2*PI()*(A2/1000)*B2A2 = トラック半径 r [mm]、B2 = 総回転数。結果は m。
すべり距離 S(往復試験)
=2*(A3/1000)*B3A3 = ストローク長 [mm]、B3 = サイクル数。結果は m。
ボールの摩耗体積(球欠)
=PI()*($A$4-SQRT($A$4^2-$B$4^2))/6*(3*$B$4^2+($A$4-SQRT($A$4^2-$B$4^2))^2)A4 = ボール半径 R [mm]、B4 = 摩耗痕半径 a [mm]。結果は mm³。